このブログはコラムに身辺雑記を加えたものです。政治・経済の問題については 別ブログで書いてます。(場所は秘密)

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Author:たかず

なかのひと

権利保護の範囲

作家のなだいなださんら9人が11日、「教材に作品を無断で使われ、著作権を侵害された」
として、大手予備校「河合塾」(名古屋市)に計約470万円の損害賠償を求める訴訟を
東京地裁に起こした。同じく「東進ハイスクール」を経営する「ナガセ」に対しても、なだ
さんや作家の妹尾河童(せのおかっぱ)さんら13人が同日、作品を使った過去の大学入試
問題をホームページ上に無断で掲載しているとして掲載差し止めを求める仮処分を同地裁に
申し立てた。作品の無断使用を巡り、大学受験予備校を相手取る裁判は初めて。
訴訟の原告や仮処分の申立人になっているのは、著作権管理団体「日本ビジュアル著作権
協会」(新宿区)の会員である作家や詩人、大学教授とその遺族。訴状によると、河合塾は
1992〜2006年、なださんや野村雅一・国立民族学博物館名誉教授、東大名誉教授
だった故木村尚三郎さん、詩人の故川崎洋さんら9人の10作品を、大学受験と中学受験用
のテキストや市販教材などに無断で掲載した。作品の一部の表現を変えたり、削ったりされ、
著作者としての人格権も侵害されたとしている。また、ナガセに対する仮処分の申立書に
よると、同社は、ホームページ上に国公私立大123校の過去の入試問題を無料で閲覧
できる「大学入試問題過去問データベース」を開設。なださんや妹尾さんのほか、小森陽一
・東大教授や歌人の故寺山修司さんら計13人の16作品を使用した、97〜02年の
東京都立大や大阪大など14大学の入学試験問題を、なださんらに無断でデータベースに
収録した。著作権法では、作品を使用する際に作者の許諾を必要としない例外的なケースと
して、〈1〉教科書〈2〉学校の入試問題――などを挙げている。しかし、なださんらは、
予備校の教材に使用したり、入試問題を収録したデータベースで2次使用したりする場合
はこうした例外に当たらず、作者の許諾が必要と主張している。
著名作家の作品の無断使用を巡っては、これまでに十数件の訴訟や仮処分の申し立てが
行われ、大半は塾や出版社が作家らに一定の使用料を支払う形で和解が成立している。
過去の入試問題を収録した問題集については、なださんらが05年に「赤本」で知られる
大学入試問題集を出版する「世界思想社教学社」(京都市)に損害賠償請求訴訟を起こし、
06年に同社が一定の使用料を支払うことで和解している。なださんは「私自身、当然の
こととして他人の著作権を侵害しないよう注意している。作品を無断で商売に利用するの
はやめてほしい」と話している。
(2008年3月11日14時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080311-OYT1T00401.htm

著作権法
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)に
おいて教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供すること
を目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製する
ことができる。

第三十六条 公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は
検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は
公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。
次項において同じ。)を行うことができる。


この問題は以前にも書いたんだけど
http://kazuuun.blog79.fc2.com/blog-entry-252.html
もちろん、
塾・予備校や教材会社が模試やテキスト・市販教材収録用に「創作問題」を作るため、
人の著作物を使用することに対して著作者の「許諾」が必要で「著作権使用料」を払えと
いう論理は分かる。
また、「赤本」も広い意味では、自社の「出版物」に他人の著作を二次使用しているの
だから「著作権使用料」を払えという論理は分かる。

だが、単に入試に出題された問題をテキストに収録するだけで、著作者の「許諾」が
必要で「著作権使用料」を払えというのには抵抗を感じるんだね。
市販出版物でもないのに、(まあ いったら学校の「教科書」と同じですよ)
なぜ、テキストに問題を収録するだけで、著作者「許諾」が必要で「著作権使用料」を
払えというのか?
そもそも塾・予備校は著作物をコピーして、それを売って利益を得ているのではなく、
出題された問題を利用して、生徒に設問解法などを伝授をすることで対価を得ていると
思うんだが、そう思うのは業界人の勝手なのかな?
まさに「教育」目的の使用だと思うんだけどねぇ。

私立大学の受験料は三教科だけで、三万五千円。
どう考えても、「著作物の使用」で一番儲けているのは大学だよね。
(それこそ私立大学の入試なんて「教育」目的でなく、「営利」目的じゃないですか)


拙文が大阪教育大学の入試に出題されました

昨日、大学別入試問題集、赤本を出している教学社(株式会社世界思想社教学社)から、
「著作物使用許可願」と表書きのある茶封筒が届いた。何かなと思って開封すると、
私が以前執筆した文章が大阪教育大学の今年度の入試に出題されたという。今年出版する
大阪教育大学の赤本に、その問題を掲載するために、文章の著作者である私の許可が
必要なので許可を頂きたいという内容だった。

今回のことでの雑感。
入試問題を出題した大学自身からは、事前連絡がないのは当たり前だが、事後にも連絡はなく、
試験問題を所収したい出版社からの許諾願いで知ることになる。これは以下の著作権法
第36条で、試験問題にするときには著作物を複製することが認められているからである。

ちなみに著作権使用料(印税)がいくらもらえるかであるが、社団法人日本文藝家協会の
支払基準が
使用料=発行部数×本体価格×(使用ページ数÷本の総ページ数)×印税率5%
(ただし翻訳作品の場合は印税率2.5%)
で、その基準に従っているようである。普通の出版物の印税は10%であるが、
入試問題を再録して二次使用するという性質のためか、その半分の5%が基準のようで
ある。妥当な線か。赤本の場合、最低保証額があり、2000円/年だった。
http://tsuyu.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_26a6.html


らしいのだけど、
実際には、著作者の「許諾」が取れない場合も多く、赤本を見ても現代文の問題が省略
されている場合がある。センター試験の赤本でも収録されていない問題が増えている印象。
生徒が受験勉強をする際に支障を来すんだけどねぇ。

特に気になった部分は

大学受験と中学受験用のテキストや市販教材などに無断で掲載した。作品の一部の表現を
変えたり、削ったりされ、著作者としての人格権も侵害されたとしている。


「表現を変えたり、削ったり」が、入試問題の段階であるならば、「それは出題校に言えよ」
という話になるのだが、その問題のテキスト掲載段階で、長さを短くしたり、言葉を言い
換えたということを問題にしているのだろうか?
収録の際に生徒が問題を解きやすいように便宜を図り、問題文を加工することもあり得る
からね。訴状を見ていないで、詳細はわからないけど。

もし、「出題段階での加工」自体を問題視しているなら、おかしいわね。
「人の著作物」を「勝手に加工」して、一番「利益も得ている」大学を訴えられないから
といって、単にそれを掲載しただけの予備校を訴えるんだから。

とにかく ここで例の「著作者人格権」を持ち出してきたわけだね。
これを持ち出されるとかなり厄介だ。
(これを考えると究極的には「入試問題」など作れなくなる)

しかし、原告メンバーを見ると

妹尾河童ですかあ。
妹尾河童「少年H」って講談社の「昭和二万日の記録」の記事から
・・・・・いやいや何でもない。
2008/03/17 00:01|社会時評

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